ダークスキルの必要性〜人を動かすメカニズムの考察〜
書店でふらふらと面白そうな本を探してたらこんな本見つけました。
内容としては、ミドルマネジメント向けの書籍です。改革を起こすためには、情報の非対称性(あの人は知ってるけどこの人は知らない)があるため、トップマネジメントは限定された情報を拠り所にマネジメントを行うしかない。
そういった中では、どちらの視点も持ちうるミドルマネジメント課長クラスが変革の担い手となる必要がある。
ロジカルシンキングや会計の知識などのいわゆる王道的なブライトスキルを身につけるだけでなく、周りを巻き込むためのコミュニケーション能力や上司すら動かすダークスキルの必要性を説いています。
実際には確かに必要性を感じたりします。
成長に段階があるとするならば、自分自身の能力により問題解決出来るようになる段階が第1段階、人を動かして問題解決していくのが第2段階であると感じます。
第1段階を変えれば、社内では優秀な部類に入ったくると思いますが、そこから第2段階に進む事が出来ずに忙殺されてしまっているケースなど目にする事があります。
第1段階と第2段階では努力するベクトルが変わります。自分が頑張ればいいわけではないので、より人を動かす戦略が必要になると思います。
とはいう自分もうまく第2段階に行けていないと感じています。自分で完結できる問題解決はある程度解決の筋道は見いだせるのですが、他者からその能力を引き出すにはその人ごとに異なる動機付けが必要になります。
まだ完全にうまくいってはいないですが、意識しているのは構図です。これは営業活動でも有効なのですが、どうやったら相手にとっての必然性を導き出す構図を作るかを意識します。
例えばお客様にとって我が社のサービスを選ぶ必然性。言葉にすれば当たり前の事ですが、買ってくださいではなく、いかに売ってくださいと言わせるかが重要です。その為には相手の論理を見抜く事が必要だと思っています。
人が何か意思決定をするのは、意思決定に至るロジックがあります。詰将棋のイメージが最もしっくりくるのですが、相手のロジックを先読みして、判断の選択肢をコントロールする。
現代のビジネスはロジカルシンキングをベースに行われているので、そこまで突飛な発想は必要ないと思います。ただし、ロジカルシンキングは前提をうまく捉える事が精度を上げる事なので、相手の立場になってロジックを組み上げる事かできれば、後はやるだけです。
上司の立場で考えるならばどう動くと自分の求める答えを引き出せるか、部下の視点で考えるならば自分がどう動くという事を聞いてくれるか。
非常に頭を使いますね。
まだまだ徹底してやりきれていないです。。
ただここまで考えてると他責の感情というのは無くなってくると思います。ただなんでそこまでやらなきゃいけないんだろうという葛藤が生まれたりもします。
こういった事を意識的でなく出来てしまう人はただただ尊敬です。
突き詰めていくと自分自身をいかに動機付けするかや、思いやりの心を持つかとかうっすらとですが、そんなものの、必要性を感じたりしてます。
今日も頑張ろっと。
新しい運用の形〜Googleで行われる最新の運用管理〜
最近この書籍を読んでいます。
Googleの運用管理ノウハウが詰め込まれている書籍です。
Googleでは運用を担当する人に50%ルールというものがあり、開発者が運用して、運用業務に当たる工数を50%までに減らすために自動化を推進する。
DevOpsで運用のフロントローディング、すなわち開発への参画という考え方があったが、こちらはDevOpsの考え方を進化させていて、開発者が運用を自動化するまでをスコープとしているところが興味深かかった。
開発者と運用者ではスキルセットが異なるため、自動化が進まないケースが多い。
ご興味がある方は是非。
運用なら課題を感じたり、コンサルやる人は必読です。
SRE サイトリライアビリティエンジニアリング ―Googleの信頼性を支えるエンジニアリングチーム
- 作者: 澤田武男,関根達夫,細川一茂,矢吹大輔,Betsy Beyer,Chris Jones,Jennifer Petoff,Niall Richard Murphy,Sky株式会社玉川竜司
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2017/08/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ビジネス推進、マネジメント人材は育成できるのか②
前回、ビジネス推進やマネジメント人材が育成できるのかという問答に対して、とある企業の事業部長が出来ないというある種確信をついた答えにどう応えるかという話をしました。
今回は続きです。実際に考えてどうでしたでしょうか。このケースの事業部長に同意する方も多かったのではないでしょうか。
私の回答に入る前にそこに至る論理です。
今十分出来ているかという事は置いておいたとして、少なくとも私はビジネス推進やマネジメントが好きで、それを生業にしています。
では私が何故そうなったか。それはそうなるインプットを得ていた事が思い当たります。インプットというのは、一言で言うと情報で、ビジネスを推進する事やマネジメントというものが自分にとって興味、関心となりうる面白そうと思える経験があったから、その経験を生んだ情報のインプットがあったからだと感じます。ビジネス書はかなり読んできましたし、それなりに勉強もしてきたと思います。仕事も意識的に取りに行ったケースが非常に多い自覚があります。そういった経験から得られるインプットがありました。
インプットを増やすにもきっかけがあったはずなので、何らかの原体験があったのだと思います。
一度面白そうだと感じると、全てとはなりませんが、書籍は教科書から好奇心を満たす道具へ、経験は面倒な事から自分を成長させる糧という側面を持つような気がします。
純粋な好奇心だけでは続かないので、失敗した経験と成功した経験というインプットも必要となります。そしてこれは、遅すぎるといことはないと思いますが、ビジネスが自己実現の手段の1つであるとともに生活の手段でもあるため、責任を伴うようになればなるほど、こう言った経験との出会いと行動が結びつかなくなると思います。
企業活動の中の人材育成に話を戻した時、そういったインプットを提供できているかは、振り返る価値があると思います。ルーチンワークだけやらせておいて、クリエイティブな仕事を何でやらないんだというのは無理があります。
その人が置かれている環境が、目指して欲しい到達点に至るインプットが得られる環境なのかは上司として把握して置かなくてはいけません。
ビジネス推進やマネジメント人材が必要だと思う方は多くの場合、それを自分が担っているもしくは担ってきた方が多いと思うので、その下が続かないという課題になってくると思います。
何か新しい事を始めるのを誘うケースが他にないか探っていくと、すぐに見つかりました。飲み屋に行って、俺キャンプ始めたんだと趣味について語り出して、一緒にやろうぜと仲間を増やす行為こそ、企業活動における新しい事を始める上での人材育成と同じなのではないだろうか。キャンプを誘う仲間は目をキラキラと楽しいそうに、いかにキャンプが楽しいのか熱弁してきます。その熱に興味が湧き、まずは一回一緒にやってみる。もちろん最初の一回で熱が冷めてしまうことも多いでしょう。しかし、自然発生的にキャンプの良さに気づく可能性と、その良さを伝えて仲間に引き込むのでは、どちらが可能性が高いでしょうか。答えは明白です。
纏めと私の回答です。
ビジネス推進やマネジメント人材育成する方法とは。
それを課題と感じてる貴方が期待する部下にロマンを語るです。
興味をもちろん、情報のインプット→気づき→さらなるインプットという成長のサイクルを築くのは、経験したことないことが楽しい事だよという誘い(ロマン)があって人為的に原体験の種を生みます。そしてそれは自然発生的よりも遥かに可能性としては高い事が想定されます。
語り方は、飲みニケーションでも背中を見ろでもいいですが、貴方は部下にロマンを語れていますか。それが割に合わない事だと口に出さずとも滲み出てしまってませんか。
ビジネス推進、マネジメント人材が少ないというのは、多くの企業で直面しており、相談される事です。トレンドとして明確に存在するので、より深掘りした原因分析が必要です。
それはまた別の機会に話せればと思います。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
ビジネス推進、マネジメント人材は育成できるのか①
今日ある企業の事業部長と継続中の仕事の件で話したい時の話。
ただ直接の用件だけではと思い、私なりの御社の課題をまとめていきました。マネジメントの向いている方向や意識、考え方を探るためにもこう言った事は大事と思ってやっています。
そこで挙がった話。
御社の人材は対応力があり、現場での実務能力が高く、ビジネス的にもそれが育つ土壌がある。一方でビジネス感覚やマネジメント能力が育っていないのではないか。
いわゆるPLレベルまでは育つが、マネジメントと対峙し、提案ができる人材が育たないという推察自体はおっしゃる通りと当たっていた。そこで興味深く生々しい意見を伺うことができた。弊社ではそう言った人材は育てられるものではなく、素養があるものが出てくるものだと。
これは非常に率直で現実的な言葉である。見回してみて、ビジネス感覚があり、マネジメント能力がある人材を頭に浮かべると育てられたというより、その人の意志によって頭角を現したと考える方が私としてもfitするのである。では果たして我々はヒーローを待つしかないのか。確率論で当たりを待つしかないのだろうか。
私なりの答えは次回述べます。
次回を読む前に一度自分ならどうするか考えてみてください。もしマネジメントの方なら具体的に自分がした事を振り返ってみてください。このケースにどう対処するかで貴方のマネジメントスタイルが分かるかもしれません。
残業というなの沼に堕ちる
残業に関しては肯定的な人は少ないと思うけど、改めて構造的な欠陥があると感じた。
残業というか残業代というシステムだろうか。
まず一度もらってしまうと、生活の水準が残業ありきになる危険性がある。
残業が多い人は管理能力の無さを問われ評価が上がりづらい。
給与が上がらず残業に頼る様になる。
次第にそれ以外の働き方が出来なくなる。
生活のパターンもそれを前提としたものになって行く。
若手のうちはそれでもいいかもしれないけど、先のない働き方である。
1番怖いのは、残業をベースにした給与水準と錯覚させてしまうことが、構造的に問題がある気がする。
これらのリスクの判断がつかない若い年次ほど残業代によって支えられてたりする。成果ではなく時間を売ることに慣れてしまうのだ。そんな状況の中に創造性は発揮されない。
こういう結果損するという事もしっかりと教育すべきだと思う。
給与だったり働き方についてはもう少し語りたいなぁと思います。
創造性を保つ秘訣
前回ルーチンは創造性を破壊すると話しましたが、自分なりに創造性を保って行くための取り組みを紹介します。
創造性とは新しく何かを生み出す事だとした場合、創造性を発揮するという事には相応のパワーが必要だと考えられます。新しい事を始めるにはストレスもかかるので、忙殺されるほどのルーチンがあればそれを考える余裕がないというのも繋がります。
自分が意識するのは2点です。
①落ち着いて思考できる時間と空間を作ること
②情報のインプットを増やす事
①について自分は1日のどこかでカフェなどで、思考をする時間を作るようにしています。これはカフェ行かなくてもいいと思いますが、自分なりに落ち着いて考える時間こそが、そもそも自分がどこに向かいたいのか、そこに向かうにはどうしたらいいかを考える事が出来ます。
活躍している人こそ、仕事は集まりますし、この様な考える時間を確保する事は難しくなります。なので意図的に作ることが重要です。
次に②については、どこに向かいたいのかを考える上では、外部からの情報を取り入れて様々なモデルケースと触れる事で目指していきたい方向性を探る事になります。
世の中には見た事もない素晴らしい景色があったとしても、それを知らなければ見てみたい、みに行こうとはなりません。その場所に行き、景色に感動している自分を想像する事が出来てこそ、そこに行きたいとなります。
また、そこにどの様に行くのかについても知識が必要になります。職場に置いてよく起こるのが、何か問題を解決しようとするときに答えが見つからない場合、自分の能力を疑う前に置かれている環境に疑いを持ち、他責な考え方に陥り、思考が停止する事があります。
今の自分が解決に向けた手段を見出せない事=解決できない問題ではないです。もちろん解決できない事もあるとは思いますか、これ以上なら手段がないと言い切れるほどに答えを探すことに取り組めているケースの方が稀だと思います。
情報のインプットを増やす事は可能性や選択肢を増やす事なので、調べれば調べるほど手段がたくさんある事に気付かされます。
①やるのには②について重要なのは、それを意識して行う事です。私自身も気がつかない間にできなくなってる事がよくあります。
決してサボっている感覚がなくても創造性を保つ活動ができなくなったり、気がつかない間に創造性は失われて行きます。働き方や生活の中にいかに自分なりの創造性の保ち方を築き上げる事が出来るかが、成長のさせかたに大きな差をつける事だと思います。
ルーチンは創造性を破壊する
現場のリーダーが日々の仕事が忙しいと、本来やって欲しいことをやってくれないという事はないだろうか。
これをハーバードサイモンは計画のグレジャムの法則として提唱しています。
【01Blog】計画のグレシャムの法則を考える「ルーチンは創造性を駆逐する」 | 01booster.com【起業家の事業支援プラットフォーム】
変化したくないわけではないけど、優先度が上がらない。結局同じことを繰り返すので、能力は上がらない。リーダーが同じ事するので組織は硬直化し、メンバはいつまでもリーダーに頼りきり。
これを断ち切るには目的と目標です。
目標のために行動するならば、動きは変わります。
自分の中に目標感はあるのか、部下に対して目標を意識させる事が出来ているか。
振り返るとやらなくてはいけない事が多い事に気づきます。
真摯に向き合う事が出来なければPDCAは回らない
前回前向きな議論によりPDCAが回らないと話しました。
誤解を招く表現ではありますが、前向きである事が悪いのではなく、前向き=本質に目を背けるを表しています。
PDCAに取り組むマネジメントレベルの方はそれなりに自分の考えを持っている事が多いため、そこから抜け出せず論理をどうしても自分の都合の良い前提や解釈の上で進めてしまう傾向があります。
自分が間違っていないと考え出すと、誤りを周りに求めてしまうため、他責思考に陥り抜け出せないといった状況もあるのではないでしょうか。
私が大事だと考えるのは、今まで自分の強みだと考えてきたものが、必ずしも今の立場でも成果につながるものではないという事です。
プレイヤーとして優秀な人材がマネジメントとして優秀とはなれず、伸び悩むというところはこの辺にあるのではないでしょうか。技術的な部分は学ぶ事が出来ますが、そもそもそれを学ぶ必要性を自身が感じるかどうかで、少しずつでも成長するか、いつまでも同じ場所に留まり続けてしまうかの分かれ道のような気がします。
では真摯に向き合うとは具体的に何をするのか次回あげていきたいと思います。
PDCAが回らないのは、前向きな議論のせいかも?
コンサルとして組織に入り、その組織の強さを見るポイントとしては、私はPDCAが回っているかを見る様にしています。
今できない事よりも、この先もできる様にならない事の方が将来的なリスクは大きいと考えるからです。
では私なりに感じるPDCAがうまく回らない組織のポイントを挙げてみたいと思います。
・前向きな議論という大義で振り返りが機能しない
会社の中にはネガテイブな事ばかり言う人もいたりしますが、だいたいそう言った人は評価されず、前向きな意見を出す人材を重宝されます。
それ自体は問題ないと思いますが、前向きな議論とは、一歩間違えるとPDCAのCheck,Actionが機能せず、本質的、構造的に対処すべき課題が棚上げされ、聞こえのいい新しいPlanに走ってしまう危険性もあります。
臭いものに蓋をしててはPDCAは回りません。自らを冷静に分析し、それを乗り越えるからこそ組織は着実な成長を遂げます。日本マイクロソフトの元会長の樋口さん(本日時点ではパナソニック)が自省力と表現していたのにとても共感しました。
「美しい戦略」とはどのようなものか|出世ナビ|NIKKEI STYLE
スピードを意識するあまり、この様な基本的な事が出来ず、結果としていつまでも同じ様な課題に悩まされてしまいます。
ではもし自社もそういったところがあると思われる方は何をすべきか。
私はコンサルで入る場合、様々な形でベースラインアセスメントをします。今どこにいるのかを解決していきたい方向性に向かうために必要な観点の現在の能力を明らかにしていきます。
インタビュー調査
アセスメントモデルによる調査票でのアンケート
サービスカタログ作成や工数管理の導入等
あなた達の取り組み方では、成果は出てないし、取り組み方自体が間違っているよとデータを突きつけていきます。
最も強いのはfactであり、それは誰にも否定する事は出来ません。もし自分の所属する組織でPDCAが回っていないと感じるところがあるならば、factデータを集めて回っていないことをまず示しましょう。
急がば回れではないですが、少し意識されてみてはいかがでしょうか。
ITIL活用〜まずはサービスカタログを作るべし〜
最近コンサルに入ると最初にサービスカタログを作る事が多いです。
ここでいうサービスカタログとは、顧客に対する提供サービスを一覧化したものではなく、自分たちの業務一覧を指しています。
技術サービスカタログと言っていいかもしれません。
なぜサービスカタログを作るのか。例えば効率化したいと言った時、大事なのは効率化の成果をどう測るかという点となります。その成果の測定方法を作らずに進めると、改善の成果を語る事が難しくなり、結果として改善主体となる自分たちの改善に向けたモチベーションを維持する事は難しくなります。
改善した結果が数字に現れると張り合いが出ますし、活動の妥当性を証明できます。
そこでまずはサービスカタログを作成して、それに基づいて工数を取れるフォーマットを用意します。会社によってはOBPMなんかを使っているケースもあると思います。
アウトソーシングで運用を請負う会社でこれが無ければ、まず契約の見直しは難しいでしょう。
じゃあどうやって作っていくのが良いのか。
かなりここはノウハウが必要なので、細かい話になってくるので、また別の機会に話ができればと思います。