ITIL活用〜導入の意義とポイント〜
ITIL導入したいという事で声をかけていただき、仕事をする事が多いですが、結構誤解が多いので今日は意義とポイントについて事例を交えて述べてみます。
まずITILを導入する意義はどんなところにあるでしょうか。
押さえておくべきはシステム運用からITサービスマネジメントへの変革が挙げられます。
システムを安定稼働させるという品質の観点から、ビジネスが求めるサービスレベルを実現するというサービスレベルの観点に変わります。
そこには必ず誰が顧客で、顧客が求める事は何かという視点が加わります。
IT部門で社内においては売上を上げる機能ではなくコストセンターとして貢献度を問われる様な場合、顧客の期待と業務を整合させる効能があります。
例えば、多少使い勝手が悪くてもコストが少ない方が良いとか、ビジネスのスピードに追従して、迅速なシステム利用を促すなど。
期待値をサービスレベルとして定量評価が可能になります。
では、導入に際してのポイントとは何か。
前述した想いをマネジメントが持ち、部下にITILを導入せよと指示を出すときにその目的が正しく伝わらない事がよくあります。
すると目的も理解がされないまま、何となく書籍を読んでITILのプロセスを見様見真似で実務に適用し、プロセスを書き換える事を主眼においた活動となってしまいます。
教科書になぞる事は目的ではないです。そもそも顧客のニーズは何なのか。それを押さえない限り成果には繋がりません。ITILベースの運用にしたという事実しか残らないのです。
明確なこうしたいという目的、我々は成果と表現しますが、成果を定義する事から始める必要があります。
次回は実際に事例を述べてみたいと思います。