コンサル的思考実験と読書メモブログ

ITコンサルタントが身を持って学んだこと、フレームワークの使い方、書評などを挙げていきます。IT企業や企業内IT部門の管理者やリーダ層の方、ITコンサルタントを目指す方に参考になる情報発信できればと思います。

ITILツール利用時に用いるKPI事例

前回ITILツールを導入する際はKPI設定に基づいて改善に向けて動く事が重要と述べました。

 

では、実際にどんな使い方ができるのかについて述べて見たいと思います。

 

実際に取り入れてる指標としては、リードタイムと遵守率です。

 

問い合わせは8時間以内、作業依頼や申請の対応は40時間以内と目標を設定します。この指標を計測可能にする為には、ユーザーからの受付の日時と完了の日時を取る事で計測が可能になります。

 

そしてどう改善に向けてPDCAを回すかという部分で遵守率を使います。2000件のインシデントが発生した時に、どの程度目標を満たしているか、遵守率として妥当なのは最低80%出来れば90%を目指すべきです。

 

それに対して、遵守率がどの程度だったのか。上記の数字を満たしていないのであれば、サービス提供のプロセス自体が目標を満たせる作りになっていることを疑います。リードタイムを長期化される構造的な問題をインタビューなどにより明確にして、そこから問題に対する対策を立案していきます。

 

もし遵守率を満たしていた場合は、満たすことのできていないデータを抽出して、原因を分析して該当してあきます。件数が多い場合は、どう行ったシステムなどの分類かでまずカテゴライズしてから、一件一件履歴を確認して原因を探ります。異常値の分析です。

 

異常値となるデータの傾向から原因を特定して、原因に対する対策案を策定して、誰がいつまでにどうするかを決めて改善施策に落とし込みます。後は、その施策の実行状況に対して、遵守率がどう変化したか確認し、施策の実行ができているにも関わらず、変化がなければ施策自体の有効性を疑います。このようにして改善のPDCAを回して行くと、ツールに登録して実績が改善に使えます。この設計こそがITILツール活用のポイントとなります。

 

次回はKPIではないですが、登録されたデータの使い方について述べてみたいと思います。