コンサル的思考実験と読書メモブログ

ITコンサルタントが身を持って学んだこと、フレームワークの使い方、書評などを挙げていきます。IT企業や企業内IT部門の管理者やリーダ層の方、ITコンサルタントを目指す方に参考になる情報発信できればと思います。

コンサルに求められる問題解決能力、キャリアパス

こんにちは!atomです。

 

朝方の冷え込みがしんどくついにコートを投入し始めました^^;

 

今日は自分がコンサルにおいて最も必要とされる能力だと思う問題解決能力についてです。

 

最近若手でコンサルをしたいと入ってくる人がいて、その人に対して何を学べば良いかを考えたりします。

 

自分の経験だけで語るのは、1つの事例でしかなく固定観念にとらわれないように色んな人にも意見を求めたりもします。

 

自分なりの答えとしては問題解決能力という言葉にいきあたりました。

 

コンサルタントは事例やフレームワークを駆使してクライアントの目指す姿になる為に問題解決を支援します。

 

しかしながら、フレームワークは万能ではなく、クライアントの状況に応じて使い分ける必要があります。

 

事例とて私がまだ経験値が不足している部分も多分にあり、経験したことのない問題に出会う事も少なくないです。

 

そんな時に必要になるのが問題解決能力だと思います。

 

ここでいう問題解決能力とはどんなものか解釈を挙げてみます。

 

・好奇心

・情報を主体的に収集するリテラシー

・ありたい姿を描く能力

・ありたい姿に対して問題を定義する能力

・問題を正しく分析する論理的思考

・解決に向けた行動力

・物事を概念化して伝える能力(文書化なども含む)

・一連の流れを他者と合意形成しながら進めるコミュニケーション能力

・最初は仮説でも一歩を踏み出す勇気

 

大きくはこの様な要素があると思います。

 

一連の流れを通じて論理的思考能力はお作法のごとく必要で、前提、必須と言えると思いますが、それ以上にありたい姿を描く、デザイン的な思考能力が個人的には重要だと思います。

 

そもそもここでいう問題とは、日々発生している良くないと考えられる事象を示しているのではなく、ありたい姿と現状のGAPを示しています。

 

つまり、ありたい姿がなければ本当の意味での問題解決にならないと考えます。

 

では、ありたい姿を描くにはどうしたらいいのか。

 

明確な解はないですが、ありたい姿を描ける人が上級マネージャーを勤めるケースが多く、その多くが情報のインプット量が多いと感じます。

 

例えば業界の動向も知らずに、自社の市場ドメインは考えられません。

 

そして、その根本には好奇心の様なものを持ち合わせてる気がします。

 

コンサルタントと企業内のマネージャーのスキルセットはかなり高いと思います。

 

コンサルタントを目指される方、マネージャーを目指される方、問題解決能力を身に付ける事を意識してみてはどうでしょうか。

 

また、別の機会にそのトレーニング方法も述べてみたいと思います。

 

 

 

IT企業におけるITILのビジネス活用

こんにちはatomです。

 

今日はITILのビジネス活用についてお話していきます。

 

ITIL活用の現状としては、品質や効率の問題などから、インシデント管理、問題管理を取り入れたり、ガバナンスの観点から変更リリース管理を取り入れるというケースが多いように感じます。

 

これは、ITILがツール導入に合わせて取り入れられること、ツール自体がITIL v2をベースに作成されていることが大きいと考えられます。

 

ちなみにITIL v2では、ライフサイクルの考え方はなく、デリバリーとサポートを主眼としていました。

 

では本題のITILのビジネス活用という点ですが、サービス化という考え方資産の利用という点が非常に重要になると思います。

 

また、現状はユーザー企業やIT企業の企業内の整備にITILが使われていますが、その形態も変わってきています。

 

サービス化とは、システムを運用するという考え方から、利用できる状態をサービスと捉えて、運用仕事をサービス提供というものに視点に切り替わることだと理解いただければと思います。

 

これを実務に当てはめる上で重要なのがサービスレベルです。

 

運用とは究極要員が半分になっても回ります。もちろんトラブルが増えたり、依頼の対応は遅れます。100だったパフォーマンスが50に下がるかもしれません。

 

しかしながら、実は業務上は50のパフォーマンスで十分でそれ以上にコストが安いことを顧客は期待してるかもしれません。

 

要はサービスレベル次第。

 

次に資産の所有から利用への変革です。物理サーバーをもはや顧客自身が管理することはなくなってきています。

 

固定費の変動費化という考えはユーザー企業にとって競争にお金を回すために、より必要になってくると考えられます。

 

ITサービスを提供する企業は 、サーバーの運用保守に対して役務提供するのではなく、ITサービスをサービスレベルに基づいて提供する。という形態が当たり前になってくるとおもいます。

 

資産も顧客が所有するのではなく、サービス提供側が用意し、顧客は必要なスペック分だけ利用する。監視業務も決められたサービスレベルのパターンから選ぶなどなど。

 

イメージはデータセンタービジネスの拡張版ですね。必ずしも筺体を保有しなくても良いと思います。IT企業自体もクラウド利用して、特定分野のサービス提供も十分考えられます。

 

結果としては、IT企業からすると顧客あたりのビジネスボリュームは増え、顧客としてもコア業務へのシフトが可能になります。

 

そういった中では、業務も領域ごとにサービスレベルをどう設計するかといったといった知見が必要になります。

 

自社の改善ではなく、ユーザー企業によるサービス利用、IT企業におけるサービス提供、それらの共通言語としてITILがより活用されるようになると思います。

 

自社のITサービスを定義して、サービスレベルをつけてカタログ化する、それらの需要を踏まえてキャパシティ設計する。要件の変化に応じてサービスを変更して、リリースする。リリース後のユーザーからの依頼に応える、インシデントに対応する。

 

ようやくビジネス環境がITILに追いついてきたのかなと思う今日この頃でした。

 

次回はITILからは離れて戦略思考の入り口だと思う、問題解決についてお話ししてみたいと思います。

ITIL活用の実態

こんにちはatomです。

 

今日は私の主要コンサル領域のITILについてお話します。

 

私はITILの中位資格のintermidiateを4つ取得してもう直ぐ上位のExpartまでもう少しってところです。

 

エントリー資格のITILファンデーションの講師などもやったりしてます。

 

ITILは、ITサービスマネジメントのベストプラクティスで、IT業界では、運用寄りの方々の中では標準的な資格になって来てます。

 

講師をやってる身としては、ITILは運用の人だけなくITに関わる人は言葉の使い方としてもお作法として所得するべきだと思っていますが。

 

もともとITILとは5冊の書籍からなるITサービスの運営におけるやっぱ方がいいとか、こんな事に考慮すべきだよという点の事例の集まりのようなものです。

 

正直一回読んで分かるものだはなく、同様にプロジェクト管理の知識体系のPMBOKの方がわかりやすいと思います。

 

現場の実態としても、ITILツールを使ってはいるが、ITILを理解してる人というのはかなり少ないと感じる状況です。

 

また、活用状況としてもITILツールがフォローしている領域が主で、イベント管理、インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理、構成管理、要求実現(リクエスト管理)くらいがほとんどです。

 

ITILの本質的なメッセージは、ビジネスとITの整合を図ることで、サービスストラテジ、サービスデザイン、サービストランジション、サービスオペレーション、継続的サービス改善とITサービスのライフサイクルをどうマネジメントしていくかするかというものです。

 

しかしながら、実態はトランジションとオペレーションぐらいの活用状況。。。

 

実にもったいない!

 

恐らくはITILの中位資格以上があまり普及しておらず、マネジメント層に十分理解されてない事もあるのかなと思います。

 

あとはITIL=運用のフレームワークという誤解もある気がします。

 

次回はITILをビジネスに活用する例を挙げていこうと思います。

 

では、皆さん良い祝日を。

 

 

 

 

 

 

システム運用における課題と官公庁でのトレンドその1

こんばんはatomです。

 

このところ官公庁系の話題です。

 

最近の官公庁のトレンドとして、調達仕様の中に記述される運用業務にITILに基づくといった要件が記述される事が多くなってきました。

 

また、SLAやKPIを具体的に提示することも求められており、構築に強みを持っていても運用については体系的な運用モデルなかったりSLA設計に苦しんでいるベンダも多くいると感じます。

 

運用は、どちらかといえば開発よりは脚光が当たらず、投資もされづらい領域だと思いますが、実は顧客視点で考えると運用に課題を感じる官公庁が多く、提案価値向上の要素が非常に大きな部分でもあります。

 

入札案件の構造上、ベンダー側の改善の必然性がないことも、より運用が評価対象となる要因だと思います。

 

ここら辺の価値に気づいている企業はまだまだ多くはなく、取り組みが早い企業と従来型の構築だけを事業ドメインにしている企業と差がついていくのでは、とちょっと感じたりしてます。

 

今日はこの辺で。ではおやすみなさい。

 

 

 

 

 

コンサル仕事と心構え

こんにちは。atomです。

 

コンサルタントという仕事は人に伝えづらいと感じる事が多くあります。

 

私の妻は建築士をしてますが、説明しやすく、その後の話が広げやすくちょっといいなぁと思ったりもします。

 

もちろん私はコンサルタントという仕事に愛着と少しの誇りを持っていますが。汗

 

余談はさておき、コンサルタントが人に伝えづらいと思う要因の一つとしては、IT組織の問題解決を支援するという一言では伝えきれない多種多様な仕事をする点があると思います。

 

仕事の大きな流れの例としては、

 

1.IT組織のありたい姿を策定する。

 

2.ありたい姿を実現する上での問題を特定し、原因を分析する。

 

3.対策案を立案し、実行まで支援する。

 

4.実行状況からさらなる改善を進める

 

といった大枠の流れがあります。

 

ここで様々なフレームワークや人、組織、プロセス、ツール、パートナーの活用などITILで語られる4つのP(Peaple,Process,Products,Partner)やBSC(Brance score card)などの切り口で検討軸を揃えていったりもします。フレームワークはこれからも紹介していきますね。

仕事の詳細もまた別の機会にでも。

 

中々説明がしづらい多種多様なコンサルタントの仕事ですが、大事にすべき心構えに触れてみたいと思います。

 

コンサルタントの仕事ではクライアントがより評価されるようにするという点が非常に重要だと思います。

 

企業の経営課題に対してIT組織が貢献する状態を作る事がITコンサルの大命題です。そこに対して提案をして、お金を頂いてるわけですし。

 

ただ、そういったビジネスとしての大義とは別に、一コンサルとして心構えとしては私にはとてもしっくりきています。

 

これは多種多様な支援が求められる中で、共通したミッションである気がします。

 

コンサルの仕事は同じ事をしても、成果としての受け取り方は一定ではないです。

 

定量的な効果を作り込む事ももちろんしますが、それでも納得してもらえない事もあります。ただ、クライアントが評価されている状況を作って納得されない事はまずないです。

 

その為、当初予定した成果とともにいかに評価されるように支援をするか、ここにコンサルタントの仕事難しさと面白さがあるかなと。

 

ちょっと長くなってしまったので、そういう想いに至ったエピソードなどは、また別の機会に書いていければ思います。

 

今日はこれから少し仕事をして、買い物に行ってきたいと思います。

 

それではまた。

 

 

ブログの主旨と自己紹介

はじめまして。atomといいます。

 

小さなITコンサルファームに勤めており、IT組織の戦略立案や主にはサービスマネジメントの領域で規模、業種問わず、官公庁系も含めたクライアントに対してコンサルティング活動に従事しています。

 

メインフレームでJCLと向き合う日々からITILマーケティングとの出会い、コンサルという仕事を通じて学んだこと、業務ノウハウ、フレームワークの使い方、キャリアパスの考え方、新規事業開発の進め方、趣味話、書評など好き勝手に書いてみようと思って始めることにしました。

 

あと気持ち的には後輩に何か残してあげられるものはないかなと思い自身の気づきをまとめておこうと思いました。

 

幅広く気になったことを自由に書いていこうと思いますが、皆さんのお役に立つ情報や共感いただけるポイントがあると幸いです。

 

では。とあるITコンサルの頭の中をご覧ください。