コンサル的思考実験と読書メモブログ

ITコンサルタントが身を持って学んだこと、フレームワークの使い方、書評などを挙げていきます。IT企業や企業内IT部門の管理者やリーダ層の方、ITコンサルタントを目指す方に参考になる情報発信できればと思います。

コンサルタントの仕事術〜人材育成を阻むバイアス〜

こんにちは!atomです。

 

土曜日は月一で勉強会をやっています。

コンサルタントは外に出る仕事なので、意図的に集まる時間作らないとなかなかナレッジの共有が難しかったりします。

 

今日は、コンサルタントを目指す方でもそうでない方でも気をつけるべき点についてです。

 

狼少年のお話の中で、羊飼いの少年が狼が来たと大人を日々嘘をついて困惑させていたら、本当に狼が来た時に信じてもらえなかったといった有名な童話があります。

 

本当に狼が来たという事実があっても、羊飼いの少年に対する認識の偏り(バイアス)できてしまい、事実を事実と受け取れなくなってしまっています。

 

少し極端な例ですが、実情としてもこういった事は多く起きていてるのではないでしょうか。

 

上司と部下の関係でこの人はできないと上司による決めつけがあり、必要以上にチェックが厳しくなったり、上司に相談しても無駄だと思い相談がされない状態となったり。

 

いわゆる人間関係という言葉で表現されたりもしますが、組織活動において、バイアスによって非合理的な判断がされるケースが何処でも発生していると思います。

 

コンサルタントとして気をつけるべきは、インタビューをする時などに、どの程度バイアスがかかっている発言なのかは注意深く見定めないといけないということです。

 

よく発生しうる事象としては、声の大きな人(発言力的な意味で)にバイアスがかかっている事を見抜かずに、それを事実としてしまうと、解決価値の高い問題の抽出や正しく原因分析ができなくなるリスクがあります。

 

一社会人としてもバイアスの存在を意識する必要があります。

 

今日の題に挙げた人材の育成について。

 

人に何かを教える際に、基本的には自身の成功体験をベースにああした方が良い、こうした方が良いというアドバイスをしていきます。

 

それ自体は問題ないと思いますが、そのアドバイス通りに後輩や部下が実施しないからと面白くない気分になっている自分がいたら要注意です。

 

冷静に考えればすぐ分かりますが、あくまでもそのアドバイスは、成功事例の1つでしかなく、必ずしもそれ以外の選択肢を排除するものにはなり得ないという事です。

 

また、成功体験といっても前提や背景が異なる中で何処まで今回有効性があるものかは見定める必要があります。

 

これは、年齢が上がるにつれて気をつけるべき事だと考えています。それは成功体験を積み上げれば積み上げるほど、そしてそれが評価をされるほど、バイアスが強くなっている可能性があります。

 

これを防ぐにはどうしたらいいか。

 

私が意識しているのは以下です。

 

1.そもそもバイアスの存在を意識する事

2.全面的に肯定や否定を基本的にはしない(スタンスとして)

3.細部まで意識する

 

2と3は近いですが、一つ一つの発言や行動をザックリと捉え、良し悪しを判断してしまうと、その中に含まれる良いものも否定してしまう可能性があります。

 

否定された側からすると、これでは正しいと自信を持てる発言や行動しかしなくなり、積極性がなくなっていき成長は鈍化します。

 

それは、更に上からすると不満になり負の循環が生まれます。

 

建設的な議論がしたくても議論成り立たなくなってきます。

 

特に教育担当、リーダー、管理職に携わる方は注意してみてください。

 

下の方は、貴方をそういう判断をしてしまう人なんだと見ているかもしれません。

 

自分も継続的に気をつけなくては。

 

では、また。