IT企業におけるITILのビジネス活用
こんにちはatomです。
今日はITILのビジネス活用についてお話していきます。
ITIL活用の現状としては、品質や効率の問題などから、インシデント管理、問題管理を取り入れたり、ガバナンスの観点から変更リリース管理を取り入れるというケースが多いように感じます。
これは、ITILがツール導入に合わせて取り入れられること、ツール自体がITIL v2をベースに作成されていることが大きいと考えられます。
ちなみにITIL v2では、ライフサイクルの考え方はなく、デリバリーとサポートを主眼としていました。
では本題のITILのビジネス活用という点ですが、サービス化という考え方資産の利用という点が非常に重要になると思います。
また、現状はユーザー企業やIT企業の企業内の整備にITILが使われていますが、その形態も変わってきています。
サービス化とは、システムを運用するという考え方から、利用できる状態をサービスと捉えて、運用仕事をサービス提供というものに視点に切り替わることだと理解いただければと思います。
これを実務に当てはめる上で重要なのがサービスレベルです。
運用とは究極要員が半分になっても回ります。もちろんトラブルが増えたり、依頼の対応は遅れます。100だったパフォーマンスが50に下がるかもしれません。
しかしながら、実は業務上は50のパフォーマンスで十分でそれ以上にコストが安いことを顧客は期待してるかもしれません。
要はサービスレベル次第。
次に資産の所有から利用への変革です。物理サーバーをもはや顧客自身が管理することはなくなってきています。
固定費の変動費化という考えはユーザー企業にとって競争にお金を回すために、より必要になってくると考えられます。
ITサービスを提供する企業は 、サーバーの運用保守に対して役務提供するのではなく、ITサービスをサービスレベルに基づいて提供する。という形態が当たり前になってくるとおもいます。
資産も顧客が所有するのではなく、サービス提供側が用意し、顧客は必要なスペック分だけ利用する。監視業務も決められたサービスレベルのパターンから選ぶなどなど。
イメージはデータセンタービジネスの拡張版ですね。必ずしも筺体を保有しなくても良いと思います。IT企業自体もクラウド利用して、特定分野のサービス提供も十分考えられます。
結果としては、IT企業からすると顧客あたりのビジネスボリュームは増え、顧客としてもコア業務へのシフトが可能になります。
そういった中では、業務も領域ごとにサービスレベルをどう設計するかといったといった知見が必要になります。
自社の改善ではなく、ユーザー企業によるサービス利用、IT企業におけるサービス提供、それらの共通言語としてITILがより活用されるようになると思います。
自社のITサービスを定義して、サービスレベルをつけてカタログ化する、それらの需要を踏まえてキャパシティ設計する。要件の変化に応じてサービスを変更して、リリースする。リリース後のユーザーからの依頼に応える、インシデントに対応する。
ようやくビジネス環境がITILに追いついてきたのかなと思う今日この頃でした。
次回はITILからは離れて戦略思考の入り口だと思う、問題解決についてお話ししてみたいと思います。